ブルーゾーン石垣シンポジウム|塩と海が教えてくれる、心と体をととのえる“長寿の知恵”

ブルーゾーン石垣
シンポジウム
塩と海が教えてくれる、
心と体をととのえる“長寿の知恵”
塩と海が人の体に与える影響、そして沖縄に受け継がれてきた塩文化。
その深い意味が、やさしく丁寧に紹介されました。
本セッションに登壇したのは、国内外で活躍するソルトコーディネーター・青山志穂氏。
普段は何気なく使っている「塩」という存在を、健康や自然環境との関わりから見つめ直す、そんな新しい視点を届けてくれました。
塩と聞くと、“摂りすぎはよくない”というイメージが先に立ちがち。
けれど青山氏は、その一面的な見方だけでなく、「塩が本来持つ力」や「自然とのつながり」という、もっと奥行きのある魅力を語ってくれました。


長寿の秘訣は「海」にあった。ブルーゾーンとタラソテラピーの知恵
青山氏がまず注目したのは、世界の長寿地域・ブルーゾーンの多くが海のそばにあるという共通点。
イタリアのサルディーニャ島、ギリシャのイカリア島、日本の沖縄など、いずれも海と寄り添うように暮らしてきた土地です。
潮風に含まれるミネラルを自然に浴び、海の幸を食卓に取り入れる。
そんな日々の環境そのものが、ゆるやかに体を支えてきた可能性があるといいます。
さらに、海に浸かることで心身をととのえる「タラソテラピー(海洋療法)」の考え方も紹介されました。
ヨーロッパでは、温泉療法と並ぶ歴史あるケアとして、海水や海藻の力が活用されてきたそうです。
石垣島のように、美しい海が身近にある地域では、自然そのものが健康の味方になってくれるのです。
沖縄に残る塩文化の話も印象的でした。
赤ちゃんが生まれたときに塩代(まーすでー)を贈る風習は、塩が「清め」や「守り」の象徴として大切にされてきた証。
塩が単なる調味料ではなく、暮らしや祈りと深く結びついてきたことが伝わってきます。

美容と健康は「質」が鍵! 石垣島で続くミネラル豊かな塩の循環
現代において塩と向き合ううえで大切なのは、「量」と「質」のバランス。
天然塩にはナトリウムだけでなく、マグネシウムやカルシウム、カリウムなど、体の働きを支えるミネラルが含まれています。
汗をかいたときの電解質バランスや、神経・筋肉の働きを助ける役割も担っています。
石垣島には海水を原料にした製塩所がいくつもあり、自然の恵みを活かした塩づくりが続けられています。
島の海から生まれた塩を、島の人が日常的に使う。
その循環は、「自然と共に生きる暮らし」を象徴する風景でもあります。
本セッションを通じて参加者が得たのは、「塩=控えるもの」という考えから一歩進み、
自然との関係の中で塩をどう生かすか、という新しい視点。
身近な塩を通して、石垣島の自然と人の健康が深く結びついていることを、あらためて実感する時間となりました。

青山志穂
(一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会 代表理事)

塩の魅力を伝えるエバンジェリストとして活動中。国内外の製塩所を500回以上訪問し、保有する塩コレクションは約2400種類に及ぶ。塩を起点に食・美容・健康に関するセミナーや講演、NHKなどのメディアへの出演を通じて塩の魅力を広く伝えるほか、企業や一流シェフと協働で商品開発や地域活性化を行う。代表著書に「日本と世界の塩の図鑑」(あさ出版)など累計7万部超。
